弘益大学✖徳島、MOU締結
弘益大学✖徳島をアートでつなぐ
4月4日、韓国・ソウルの弘益大学校(Hongik University)を訪問しました。
弘益大学は、韓国のアート・デザイン界を長年牽引してきた大学です。
今回の訪問は、代表の営業力を生かしながら、今回は「弘益大学の若いクリエイターと徳島をつないだら、何が生まれるだろう」というところから話が始まりました。

交流は正式な連携へ
4月4日の弘益大学訪問から約2カ月。
交流の可能性について話し合ってきた関係を、さらに具体的なものへ進めるため、6月1日には後藤田正純知事とともに再び弘益大学を訪問しました。
そしてこの日、徳島県と弘益大学校美術大学との間で「業務協約書」が正式に締結されました。

韓国側との調整を重ねながら、徳島と弘益大学をつないできた取り組みが、単発の訪問ではなく、大学と地域が継続的に交流していく正式な関係へと一歩進んだことになります。

私たちが目指しているのは、協約を結ぶことそのものではありません。
アート、教育、観光、伝統文化を通じて、実際に学生が徳島を訪れ、徳島の若者や地域の人たちと出会い、そこから新しい作品や交流が生まれていくこと。
そのための土台が、この日ひとつ形になりました。
徳島を、若い感性で描き直す
弘益大学には、絵画、彫刻、デザイン、金属工芸、陶芸・ガラス、木工・家具、テキスタイルなど、幅広い芸術分野があります。
そんな学生たちが徳島へ入り、自分たちの感性で地域を見る。
もし彼らが徳島の海を描いたら、単なる美しい風景ではなく、物語の舞台になるかもしれません。
山や集落は、新しい作品のモチーフになるかもしれない。
藍、阿波おどり、木工、伝統産業、食、街並み。
そして、大塚国際美術館。
私たちが毎日のように見ているものも、海外の若いクリエイターの目を通すことで、まったく違う価値に変わる可能性があります。
「観光地」から「創作したくなる場所」へ
今回考えているのは、学生を徳島へ招いて観光してもらうだけの交流ではありません。
徳島そのものをフィールドにしてもらうこと。
地域に入り、人に会い、文化に触れ、その経験から何かを生み出してもらう。
作品かもしれない。
映像かもしれない。
デザインかもしれない。
SNSコンテンツかもしれない。
そして、その作品が韓国や世界へ発信されれば、今まで徳島を知らなかった人にとっても、新しい「徳島への入口」になります。
そして6月18日、学生たちが徳島へ
4月の弘益大学訪問から約2カ月。
6月18日、弘益大学の学生、教授陣をはじめとする皆さんが、実際に徳島を訪れました。
ソウルで話したアイデアが、ここでも実際の人の移動へと変わりました。
私たちが大学との交流で大切にしているのは、まさにこの部分です。
「いつか交流できたらいいですね」で終わらせない。
県内大学生との交流では、国籍や大学という枠を越え、同じ時代を生きる若者同士がにぎやかに言葉を交わします。
これは単なる「国際交流会」ではありません。
これから社会へ出て、新しい文化やデザイン、地域、産業をつくっていく未来の創造者同士が出会う時間です。
異なる文化や感性が交われば、自分たちだけでは思いつかなかった発想が生まれます。私たちは、そんな小さな化学反応こそ、大学交流の面白さだと思っています。
韓国の美術教育を担う皆さんが、大塚国際美術館へ
今回の徳島滞在では、大塚国際美術館も訪問しました。
世界の名画を陶板で原寸大に再現した壮大な空間を前に、学生たちは驚きの連続。
そして何より印象的だったのが、弘益大学で美術教育を担う教授陣の皆さんからも高い評価をいただいたことです。
実際に現地を見ていただいたことで、今後の弘益大学の学生研修における訪問先として、徳島を選んでいただくことにもつながりました。
私たちが目指しているのは、まさにこういう交流です。
一度来て、写真を撮って、帰って終わりではない。
一度の訪問から「次に来る理由」が生まれること。
大塚国際美術館が、韓国の未来の芸術家たちにとって新しい学びの場所になっていけば、徳島にとっても大きな財産になります。
(個人的には、もっともっと韓国の人、世界の人に大塚国際美術館の素晴らしさを知ってほしいです。)
世界を目指す美大生が、大谷焼の里へ
続いて訪れたのは、大谷焼の里・森陶器。
韓国トップクラスの環境で芸術を学ぶ若者たちが、今度は徳島で長く受け継がれてきた伝統工芸と向き合いました。
土に触れ、作品を見て、職人の技やものづくりの精神を知る。
最先端のデザインを学ぶ学生にとっても、地域に何世代も受け継がれてきた手仕事には、また違った発見があったのではないでしょうか。
世界へ発信できる地域文化は、必ずしも新しいものだけではありません。
徳島に昔からあるものを、世界の若者が新しい視点で見る。
その瞬間、私たち自身も地域の価値をもう一度発見することができます。
阿波おどりも「見る」から「楽しむ」へ
そして、徳島といえばやはり阿波おどり。
阿波おどり会館にも足を運び、徳島を代表する文化を楽しんでいただきました。
美術館、陶芸、阿波おどり。
一見するとそれぞれ違うものですが、すべてに共通しているのは「人がつくり、人から人へ受け継いできた文化」であることです。
アートを学ぶ学生だからこそ、完成した作品を見るだけでなく、その背景にある土地や人、歴史まで感じてもらいたい。
今回の徳島滞在には、そんな思いも込めています。
徳島を「創作したくなる場所」へ
観光というと、どうしても「人を何人呼んだか」という数字に目が向きます。
でも、私たちが今回考えたのは少し違います。
「ここへ来たい」から、
「ここで何かをつくりたい」へ。
韓国の若いクリエイターが徳島に滞在し、人に会い、文化を知り、その経験を作品や映像、デザインへ変えていく。
そして、それが韓国や世界へ発信される。
そんな循環が生まれれば、徳島は単なる観光地ではなく、世界のクリエイターにとっての創作のフィールドになる可能性があります。
アート、観光、教育、伝統産業。
これまで別々に考えられてきたものをつなぐことで、徳島を新しい「アートシティ」へ。
今回の弘益大学との交流は、その小さな第一歩です。
会っただけで終わらない交流を
4月にソウルで会い、6月には学生たちが徳島へ。
そして今回の来県をきっかけに、次の学生研修へ。
代表が韓国の大学との交流で大切にしているのは、
「会う → 企画する → 人を動かす → 次につなげる」ことです。
韓国でこれまで築いてきた大学関係者とのご縁も、徳島に実際の人の流れが生まれて初めて、地域にとって意味のあるネットワークになります。
今回の交流で生まれた出会いや感動も、一日の思い出だけで終わらせたくありません。
数時間の出会いだったかもしれない。
それでも、一緒に笑い、作品について語り、互いの文化に触れた記憶は、きっと学生たちの人生のどこかに残ります。
いつか彼らが韓国や世界の美術・デザインの第一線で活躍するようになったとき、
「学生時代に徳島という場所へ行った」
そんな記憶が残っていたら、とてもうれしいことです。
芸術に国境はありません。
徳島で生まれた友情やご縁が、これからの韓国美術界と徳島を結ぶ小さな種となり、長い時間をかけて育っていくことを願っています。
伝統と創造が出会う場所、徳島。
アートがつなぐ新しい交流は、もう始まっています。
弘益大学校について
弘益大学校(홍익대학교/Hongik University)は、ソウル・弘大エリアに本部を置く総合大学で、特に美術・デザイン分野で高い評価を受ける大学です。
ソウルキャンパスの美術大学には、東洋画、絵画、版画、彫刻、視覚コミュニケーションデザイン、産業デザイン、金属・ジュエリー、陶芸・ガラス、木工・家具など多彩な専門分野があります。
2026年のQS世界大学分野別ランキングでは、Art & Designで世界48位。大学周辺の「弘大」という街そのものが、現在では韓国を代表する若者・アート・音楽・クリエイティブ文化の発信地になっています。
また大学は、アート・デザイン・建築と産学連携やスタートアップを結びつける「Hongik Art & Design Valley」も整備しており、芸術を作品だけに閉じず、社会や産業につなげる教育にも力を入れています。
弘益大学 College of Fine Arts・学科情報
徳島県公式|2026年6月1日 弘益大学校美術大学との「業務協約書」締結式
