韓国RISE、10大学120名が徳島へ
韓国政府が全国的に推進するRISE(地域革新中心大学支援体系)。
大学を教育機関としてだけでなく、地域産業の発展、人材育成、若者の地域定着、地域課題の解決を担う中核として位置づけ、「大学と地域を一緒に成長させる」ことを目指す国家レベルの取り組みです。
そのRISE事業の一環として、2026年5月28日から31日まで、韓国・釜山地域の10大学から学生・大学関係者約120名が徳島を訪れました。

今回の交流は、徳島県の招聘補助金に頼ることなく実現したものです。
弊社代表の地元でもある釜山でのご縁が、今度は約120名という具体的な人の流れとなって徳島へつながりました。
釜山10大学による「グローバル創業キャンプ」
今回実施されたのは、「2026 AI Trend Marketing グローバル創業キャンプ in Tokushima」。
東亜大学を中心に、
釜山大学、国立韓国海洋大学、東西大学、東義大学、新羅大学、霊山大学、釜山保健大学、釜山女子大学、釜山科学技術大学など、釜山地域10大学が共同参加しました。

徳島そのものを「学びのフィールド」に
今回の特徴は、学生たちを観光客として徳島へ招いたわけではないことです。
徳島大学での講義に加えて、学生たちは徳島駅周辺の商圏や大型商業施設、地域の店舗などを実際に歩き、住民や事業者への市場調査・アンケートを実施。
そこで見つけた地域課題をもとに、AIなどを活用した新しいビジネスアイデアを考えます。
つまり、
徳島という地域そのものが、約120名の韓国人学生にとっての「教室」になった4日間です。
地域課題も、見方を変えれば教育資源になります。
人口減少、高齢化、地方商店の情報発信、地域産業。
徳島が抱えている課題を韓国の若者が自分たちの目で見て、「自分ならどう解決するか」を考える。
これも従来の観光旅行とは違った、新しい国際交流の形だと考えています。

徳島大学との交流も実現
今回のプログラムでは、徳島大学との交流・学習プログラムも行われました。
学生たちは徳島大学で教授陣による講義やグローバルマーケティングに関する実務講演を受け、日本市場の商圏構造や消費者のライフスタイルについて学びました。
さらに徳島大学には、その後、韓国RISEプログラムの大学総長らによる訪問団も来学しています。
学生だけではなく、大学同士の関係へ。
一度のプログラムが次の交流へつながり始めています。
学生たちが考えた「徳島の課題解決」
そして面白いのは、実際に成果まで生まれたことです。
釜山大学の学生チームは、徳島での市場調査をもとに、
「生成AIを活用した地域店舗向け割引プラットフォーム」
を提案。
徳島の高齢化や小規模店舗の情報発信という地域課題に着目したアイデアで、キャンプの大賞を受賞しました。
さらに別チームは「生成AIを活用した配送プラットフォーム」で優秀賞を受賞しています。
東西大学、新羅大学などの学生チームからも受賞者が生まれ、韓国側の各大学やメディアで今回の徳島プログラムが報道されました。
徳島へ来てもらった。
それだけではありません。
徳島を見て、徳島について考え、徳島の課題を解決するアイデアまで持ち帰ってくれた。
これこそ今回の交流の大きな成果だったと思います。
韓国にはRISEのように、大学・自治体・産業界が連携して人材育成や地域課題解決を行う大きな仕組みがあります。
その仕組みと徳島をつなぐことができれば、
韓国側の教育・人材育成予算を活用しながら、徳島に人が来る。
そんな新しい国際交流の形もつくることができます。
だからこそ、大学との関係づくりは単なる「友好交流」ではありません。
それ自体が、徳島への新しい人流を生み出す営業活動でもあります。
これまでの大学交流が、次のプロジェクトにつながる
大学間の信頼関係は、一度の訪問ではできません。
教授と会う。
総長と会う。
学生を徳島へつなぐ。
今度は徳島の学生が韓国へ行く。
そうした交流を何度も積み重ねることで、初めて「次は一緒にこの事業をやりましょう」という話になります。
今回のRISE事業も、その延長線上にあります。
観光、教育、人材育成、大学、産業。
これからの地域間競争では、それぞれを別々の事業として考えるのではなく、一つの国際戦略としてつなぐことが重要だと考えています。
韓国の制度と徳島をつなぐ。
大学と徳島をつなぐ。
学生と地域企業をつなぐ。
そして、それを一度きりではなく、継続的な人の流れへ変えていく。
約120名の学生が徳島へ来た今回のRISEプログラムは、その可能性を具体的に示してくれた事業となりました。
